- SESエンジニアの年収は「スキル × 還元率 × 商流」で決まる
- 同じ月単価70万円でも還元率55%と80%で年間210万円の差
- 年収アップの最短ルートは高還元企業への転職
SESエンジニアとして働く上で、最も気になるのが**「年収」**ではないでしょうか。「自分の年収は相場と比べてどうなのか」「どうすれば年収を上げられるのか」と悩んでいる方も多いはずです。
実は、SESエンジニアの年収は「スキル × 還元率 × 商流」の3つで決まります。 同じ月単価70万円でも、還元率55%の企業と80%の企業では年間210万円もの差が出ます。つまり、スキルアップだけでなく「どの企業に所属するか」が年収を大きく左右するのです。
この記事では、2026年最新のSESエンジニア年収相場を、経験年数別・スキル別・商流別に徹底解説します。年収アップのための具体的な方法もお伝えします。なお、SESエンジニア1000名の大規模調査データは「SESエンジニア白書2026」にまとめていますので、あわせてご覧ください。
- SESエンジニアの経験年数別・平均年収【2026年版】
- プログラミング言語・スキル別の月単価と年収相場
- 月単価と手取り年収の計算方法(還元率別シミュレーション)
- SESエンジニアが年収を上げる5つの具体的な方法
- SESと他の働き方(自社開発・フリーランス)の年収比較
- 年収に関するよくある質問
SESエンジニアの平均年収【2026年最新】
2026年時点でのSESエンジニアの経験年数別の年収相場は以下の通りです。
経験年数別の年収・月単価一覧
| 経験年数 | 平均年収 | 月単価目安 | 主な業務内容 | 推奨キャリアアクション |
|---|---|---|---|---|
| 未経験〜1年 | 280〜350万円 | 40〜50万円 | テスト、運用保守、補助的な開発 | 基本情報技術者の取得、1つの言語を深掘り |
| 2〜3年 | 380〜480万円 | 55〜65万円 | 詳細設計、実装、コードレビュー | AWS/Azure資格の取得、高還元企業への転職検討 |
| 4〜6年 | 480〜600万円 | 65〜80万円 | 基本設計、チームリード、技術選定 | PL経験を積む、1次請け案件への移動 |
| 7〜9年 | 600〜750万円 | 80〜100万円 | PM/PL、アーキテクチャ設計 | PM/PMO路線 or スペシャリスト路線の選択 |
| 10年以上 | 700〜900万円+ | 90〜120万円 | PMO、コンサルティング、技術統括 | フリーランス独立 or ITコンサル転向の検討 |
IT業界全体の平均年収が約490万円(経済産業省「IT関連産業の給与等に関する実態調査」)であることを考えると、経験3年以上のSESエンジニアは業界平均並み〜それ以上の年収を得られるポジションにあります。
SESの年収は他業種と比べてどうか?
dodaの「平均年収ランキング2025」によると、IT/通信業界の平均年収は約452万円です。SESエンジニアは経験3年程度で業界平均に到達でき、スキル次第では経験5年で600万円超えも十分に狙えます。
2026年に注目の年収トレンド
2026年Q1時点で、SESエンジニアの年収に大きな影響を与えているトレンドが3つあります。
トレンド①:AI案件の単価急騰
生成AI(LLM)関連の案件需要が爆発的に増加しています。RAG構築、LangChain/LlamaIndex を使ったアプリケーション開発、社内AIチャットボット導入などの案件では、月単価90〜130万円が相場となっており、従来のWeb開発案件と比べて20〜40%のプレミアムがついています。Python + AI/MLスキルを持つエンジニアは引く手あまたの状況です。
トレンド②:労働基準法改正で還元率の透明化が進む
2026年4月施行予定の労働基準法改正により、SES企業に対する契約条件の透明化義務が強化されます。これにより、還元率を公開する企業が増加傾向にあり、エンジニアが企業を比較しやすくなっています。還元率が不透明な企業は人材確保が難しくなり、業界全体で還元率の底上げが期待されています。
トレンド③:リモート案件の単価プレミアム
フルリモート案件はコロナ禍以降に定着しましたが、2026年は「リモート可」であること自体が単価交渉の材料になるケースが増えています。特に地方在住エンジニアが東京の高単価案件にリモート参画するパターンが増え、地方でも月単価70〜90万円を得られるケースが出てきています。
労働基準法改正がSESエンジニアの働き方・年収に与える影響については「【2026年】労働基準法改正がSESエンジニアに与える影響」で詳しく解説しています。
スキル・言語別の年収・単価相場【2026年版】
SESエンジニアの年収は保有スキルによって大きく変わります。2026年の最新相場をカテゴリ別にまとめました。
開発言語・フレームワーク別の単価
| 言語・技術 | 月単価相場 | 年収換算(還元率70%) | 需要トレンド |
|---|---|---|---|
| Java / Spring Boot | 65〜85万円 | 546〜714万円 | 安定 |
| Python / Django / FastAPI | 70〜90万円 | 588〜756万円 | 上昇 |
| React / TypeScript | 70〜95万円 | 588〜798万円 | 上昇 |
| Vue.js / Nuxt.js | 65〜85万円 | 546〜714万円 | 安定 |
| Go | 80〜100万円 | 672〜840万円 | 上昇 |
| Rust | 85〜110万円 | 714〜924万円 | 急上昇 |
| PHP / Laravel | 55〜75万円 | 462〜630万円 | やや下降 |
| C# / .NET | 60〜80万円 | 504〜672万円 | 安定 |
| Swift / Kotlin(モバイル) | 70〜90万円 | 588〜756万円 | 安定 |
インフラ・クラウド系の単価
| 技術分野 | 月単価相場 | 年収換算(還元率70%) | 需要トレンド |
|---|---|---|---|
| AWS(設計・構築) | 75〜100万円 | 630〜840万円 | 上昇 |
| Azure | 70〜95万円 | 588〜798万円 | 上昇 |
| GCP | 75〜100万円 | 630〜840万円 | 上昇 |
| Docker / Kubernetes | 75〜100万円 | 630〜840万円 | 上昇 |
| ネットワーク・サーバー運用 | 50〜70万円 | 420〜588万円 | 安定 |
| セキュリティ | 80〜120万円 | 672〜1,008万円 | 急上昇 |
マネジメント・上流工程の単価
| ポジション | 月単価相場 | 年収換算(還元率70%) |
|---|---|---|
| PL(プロジェクトリーダー) | 75〜95万円 | 630〜798万円 |
| PM(プロジェクトマネージャー) | 85〜110万円 | 714〜924万円 |
| PMO | 90〜120万円 | 756〜1,008万円 |
| ITコンサルタント | 100〜150万円 | 840〜1,260万円 |
AI/ML(機械学習)・LLM関連・クラウドネイティブ(Kubernetes)・セキュリティの3分野は特に単価上昇が著しく、月単価100万円超えの案件も増えています。
月単価と手取り年収の関係|還元率が全てを決める
還元率とは?
還元率とは、クライアントが支払う月単価のうち、エンジニアの給与として支払われる割合のことです。残りはSES企業の利益(マージン)になります。
還元率別の年収シミュレーション
月単価70万円の場合の年収シミュレーション(賞与含む概算):
| 還元率 | 月額手取り目安 | 年収目安 | 企業タイプ |
|---|---|---|---|
| 55% | 38.5万円 | 約462万円 | 大手SES(マージン大) |
| 60% | 42万円 | 約504万円 | 一般的なSES企業 |
| 65% | 45.5万円 | 約546万円 | 中堅SES企業 |
| 70% | 49万円 | 約588万円 | 優良SES企業 |
| 75% | 52.5万円 | 約630万円 | 高還元SES企業 |
| 80% | 56万円 | 約672万円 | 超高還元SES企業 |
同じ月単価70万円でも、還元率55%と80%では年間で約210万円もの差が出ます。年収を上げたいなら、まず自分の還元率を確認しましょう。

「還元率80%」と謳っていても、社会保険料の会社負担分を含めて計算していたり、交通費を含んでいたりするケースがあります。「何を基準にした還元率なのか」を必ず確認しましょう。
自分の還元率を計算する方法
自分の還元率は以下の式で概算できます。
還元率 = (年収 ÷ 12)÷ 月単価 × 100
例:年収500万円、月単価75万円の場合 → (500万 ÷ 12)÷ 75万 × 100 ≒ 55.6%
商流別の年収への影響
エンドクライアントが月単価100万円で発注した場合の、商流別エンジニア取り分の目安:
| 商流 | 中間マージン | エンジニア取り分(還元率70%で計算) | 年収換算 |
|---|---|---|---|
| 元請け(プライム) | なし | 約70万円/月 | 約840万円 |
| 1次請け | 10〜15万円 | 約60万円/月 | 約720万円 |
| 2次請け | 20〜30万円 | 約49万円/月 | 約588万円 |
| 3次請け | 30〜40万円 | 約42万円/月 | 約504万円 |
商流が1段階深くなるごとに、年収が100〜150万円下がるイメージです。企業選びでは「1次請け案件が何割あるか」を必ず確認しましょう。
SESエンジニアが年収を上げる5つの方法
方法①:市場価値の高いスキルを習得する
SES業界全体のスキル別単価トレンドは「SES業界の実態調査2026」で詳しく分析しています。2026年に特に需要が高いスキルは以下の通りです。
- クラウド(AWS/Azure/GCP):資格取得で単価+5〜10万円
- コンテナ技術(Docker/Kubernetes):DevOpsエンジニアとして高単価を狙える
- AI/ML・LLM関連:Python + 機械学習で月単価90万円超えも。特に生成AI(RAG構築、LangChain、LlamaIndex)スキルは2026年最も需要が高い
- セキュリティ:CISSP、情報セキュリティスペシャリスト保有者は引く手あまた
- AWS Solutions Architect(単価+5〜10万円)
- Azure Administrator(単価+5〜8万円)
- LPIC Level 2 / LinuC(インフラ系必須)
- 応用情報技術者試験(日本企業で評価が高い)
方法②:単価交渉を積極的に行う
現場での評価が高くても、黙っていては単価は上がりません。以下のタイミングで営業担当に単価交渉を相談しましょう。
- 参画から半年〜1年経過したタイミング
- 新しいスキルや資格を取得したとき
- 担当業務の範囲が広がったとき
- クライアントから高い評価を受けたとき
方法③:還元率の高い企業に転職する
最も即効性があるのが「還元率の高い企業への転職」です。還元率が10%上がるだけで、月単価70万円なら年収は84万円アップします。優良SES企業の見極め方は「優良SES企業の見つけ方」、ブラック企業を避けるポイントは「SESブラック企業の特徴10選」を参考にしてください。
方法④:上流工程・マネジメントに挑戦する
開発だけでなく、設計・要件定義・PM/PLなどの上流工程やマネジメント経験を積むことで、単価帯が一段階上がります。
方法⑤:フリーランスへの転向を検討する
経験3年以上であれば、フリーランスに転向することで年収を1.3〜1.5倍に引き上げることも可能です。ただし、社会保険の自己負担や案件獲得のリスクも考慮が必要です。
詳しくは「SESとフリーランスの違いを徹底比較」をご覧ください。
SESと他の働き方の年収比較
| 働き方 | 経験3年の年収目安 | 経験5年の年収目安 | 経験10年の年収目安 |
|---|---|---|---|
| SES(一般) | 380〜450万円 | 480〜580万円 | 600〜750万円 |
| SES(高還元) | 450〜530万円 | 560〜680万円 | 700〜850万円 |
| 自社開発企業 | 400〜550万円 | 500〜700万円 | 650〜900万円 |
| SIer(大手) | 450〜550万円 | 550〜700万円 | 700〜1,000万円 |
| フリーランス | 500〜650万円 | 650〜900万円 | 800〜1,200万円 |
SES年収に関するよくある質問(FAQ)
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まとめ:SESエンジニアの年収は「スキル × 還元率 × 商流」で決まる
- SESエンジニアの平均年収は経験やスキルで280万円〜900万円超と幅広い
- Go、Rust、クラウド、セキュリティ分野は特に高単価
- 同じ単価でも還元率で年収が100万円以上変わる
- 商流が1段階深くなるごとに年収は100〜150万円減少
- 年収アップの最短ルートは「高還元企業への転職」
- 経験3年以上ならフリーランス転向で1.3〜1.5倍も可能
まずは自分の現在の月単価と還元率を確認し、市場相場と比較してみましょう。SES BASEでは、SES企業の還元率や口コミを確認できます。年収アップのための企業選びにぜひ活用してください。