- SESエンジニアの職務経歴書はスキルシートとは目的・構成が異なる
- 「常駐先が多い」は多様な環境への適応力としてポジティブ転換できる
- 成果を数値で示す「Before/After」記述で書類通過率が大幅に向上する
「SES経験しかないけど、職務経歴書に何を書けばいいかわからない」「常駐先が多くてキャリアに一貫性がないと思われそう」「スキルシートはあるけど職務経歴書は書いたことがない」
SESエンジニアの職務経歴書は、スキルシートとは全く別の書類です。スキルシートが「何ができるか」を示すのに対し、職務経歴書は「何をしてきて、どんな価値を提供できるか」を伝えるもの。適切に書ければ、転職でも案件獲得でも大きな武器になります。
この記事では、SESエンジニアならではの職務経歴書・自己PRの書き方を、テンプレート付きで徹底解説します。
- スキルシートと職務経歴書の違い
- 職務経歴書の基本構成と書き方テンプレート
- SESエンジニアならではの自己PRの作り方
- 通過率を上げる5つのテクニック
SESエンジニアの職務経歴書が重要な理由

SESエンジニアにとって、職務経歴書はキャリアの「ストーリー」を伝える最も重要な書類です。多くのエンジニアがスキルシートだけで活動していますが、転職市場では職務経歴書が必須です。
スキルシートと職務経歴書の違い
| 項目 | スキルシート | 職務経歴書 |
|---|---|---|
| 目的 | 案件マッチング(SES営業向け) | 転職・選考(採用担当向け) |
| 書式 | SES企業指定フォーマット | A4縦2〜3枚 |
| 記載内容 | 技術スキル・経験年数 | 職務要約・成果・自己PR |
| 重点 | 「何ができるか」 | 「何をしてきて、何を実現したか」 |
| 読み手 | SES営業・技術PM | 人事・部門マネージャー |
スキルシートの書き方についてはエンジニアスキルシートガイドで詳しく解説しています。
転職活動 vs 案件参画で求められる書類の違い
転職活動の場合:
- 職務経歴書 + 履歴書が必須
- 自己PRと志望動機が重要
- ATS(採用管理システム)対策が必要
案件参画(フリーランス・SES)の場合:
- スキルシートが主体
- ただし、高単価案件やエンド直案件では職務経歴書を求められることが増加
- 職務経歴書があると、営業担当がクライアントに推薦しやすくなる
つまり、どちらの場合も職務経歴書を用意しておくことが、キャリアの選択肢を広げることにつながります。
職務経歴書の基本構成と書き方【テンプレート付き】
SESエンジニアの職務経歴書は、以下の構成で作成するのが効果的です。
職務要約(3〜5行で経験を凝縮)
職務要約は、採用担当者が最初の10秒で読む部分です。3〜5行で以下を含めましょう:
- エンジニアとしての経験年数
- 主な技術領域
- 最も誇れる実績1〜2つ
- 今後のキャリア方向性
良い例:
IT業界で7年の実務経験を持つバックエンドエンジニアです。SES企業を通じて金融・EC・物流など多業種のシステム開発に従事。直近ではAWS上のマイクロサービス基盤の設計・構築をリードし、API応答時間を40%改善しました。今後はクラウドアーキテクトとして、より大規模なシステム設計に携わりたいと考えています。
悪い例:
SESエンジニアとして7年間働いています。Java、Python、AWSが使えます。よろしくお願いします。
職務経歴(プロジェクト単位の記載法)
SESエンジニアの場合、プロジェクト単位で時系列に記載するのが最も効果的です:
【プロジェクト名】大手ECサイト バックエンド刷新
【期間】2025年4月〜2025年12月(9ヶ月)
【チーム規模】12名(うちバックエンド5名)
【役割】バックエンドエンジニア → テックリード
【技術スタック】Java 17 / Spring Boot 3 / PostgreSQL / AWS ECS / Terraform
【担当業務】
- レガシーモノリスからマイクロサービスへの段階的移行設計
- 商品検索API(Elasticsearch)のパフォーマンスチューニング
- CI/CDパイプラインの構築(GitHub Actions)
【成果】
- API応答時間を平均450ms→180msに短縮(60%改善)
- デプロイ頻度を月1回→週3回に向上
- テストカバレッジを35%→78%に改善
ポイント: 「何をしたか」だけでなく「どんな成果が出たか」を数値で示すことが重要です。
テクニカルスキル(技術スタックの整理方法)
技術スキルはカテゴリ別に整理し、経験年数や習熟度を添えると評価されやすくなります:
| カテゴリ | スキル | 経験年数 |
|---|---|---|
| 言語 | Java, Python, TypeScript | 7年, 3年, 2年 |
| フレームワーク | Spring Boot, Django, Next.js | 5年, 3年, 2年 |
| DB | PostgreSQL, MySQL, Redis | 7年, 5年, 3年 |
| クラウド | AWS (ECS, Lambda, RDS, S3) | 4年 |
| IaC | Terraform, CloudFormation | 2年 |
| CI/CD | GitHub Actions, Jenkins | 3年 |
SESエンジニアならではの自己PRの作り方
SES経験を強みに変換することが、自己PRの核心です。
「常駐先が多い」をポジティブに変換するコツ
多くのSESエンジニアが「常駐先が多い=ジョブホッパー」と思われることを心配しますが、適切に表現すれば大きな強みになります:
| ネガティブな認識 | ポジティブな転換 |
|---|---|
| 常駐先が多い | 多様な業界・技術環境への高い適応力 |
| 短期プロジェクトが多い | 短期間で成果を出すスピード感 |
| 一つの技術に特化していない | フルスタックな対応力 |
| 指示を受けて作業する立場 | 多様なチームでの協業経験 |
チーム規模・役割・成果を数値で示す
自己PRでは具体的な数値が説得力を生みます:
- 「大規模プロジェクトに参画」→「30名体制のチームでバックエンドリーダーを担当」
- 「パフォーマンスを改善」→「APIレスポンスを2秒→0.5秒に短縮(75%改善)」
- 「テストを推進」→「テストカバレッジを20%→65%に向上し、リリース後バグを80%削減」
上流工程経験のアピール方法
上流工程の経験があれば、以下の観点でアピールしましょう:
- 要件定義への参画:「クライアントとの要件ヒアリングに参加し、技術的実現可能性を提案」
- 設計フェーズのリード:「DB設計・API設計のレビュワーとして品質向上に貢献」
- 見積もり作成:「機能ごとの工数見積もりを作成し、プロジェクト計画に反映」
通過率を上げる5つのテクニック
書類選考の通過率を上げるための実践的なテクニックを紹介します。
テクニック1:キーワード最適化(ATS対策)
大手企業の多くはATS(Applicant Tracking System)を使って書類をスクリーニングしています。求人票に記載されているキーワードを職務経歴書に含めることが重要です:
- 求人票の「必須スキル」に記載された技術名を正確に記載
- 略称と正式名称の両方を含める(例:「AWS(Amazon Web Services)」)
- 職種名を統一する(「バックエンドエンジニア」「サーバーサイドエンジニア」を求人に合わせる)
テクニック2:成果ベースの記述(Before/After)
最も効果的なのは、Before/Afterで成果を示す記述です:
Before: APIレスポンスが平均2秒かかり、ユーザーの離脱率が高い状態 Actions: SQLクエリの最適化、キャッシュ層の導入、N+1問題の解消 After: レスポンスタイムを平均0.3秒に短縮、離脱率が15%改善
テクニック3:フォーマットの統一感
- フォントは統一(游ゴシック推奨)
- 見出しのレベルを揃える
- 箇条書きのインデントを統一
テクニック4:最新プロジェクトを最も詳しく
採用担当者は直近1〜2年の経験を最も重視します。最新のプロジェクトを最も詳しく記載し、古いものは概要のみにしましょう。
テクニック5:第三者にレビューしてもらう
自分では気づかない強みや改善点があります。SES面談対策ガイドで紹介している面談対策と合わせて、転職エージェントや信頼できる同僚にレビューを依頼しましょう。
よくあるNG例と改善ポイント
採用担当者として多くの職務経歴書を見てきた経験から、よくあるNG例を紹介します。
| NG例 | 問題点 | 改善案 |
|---|---|---|
| 「各種業務に従事」 | 具体性がゼロ | 具体的な業務内容と成果を記載 |
| 技術名の羅列のみ | 何ができるかわからない | 技術ごとに経験年数と習熟度を記載 |
| 5ページ以上の経歴書 | 読まれない | A4で2〜3枚に凝縮 |
| 守秘義務情報の記載 | コンプライアンス違反 | 業界・規模・役割で抽象化 |
| 自己PRがない | 人柄が伝わらない | 強み3点を具体エピソード付きで |
SESエンジニアのポートフォリオガイドでは、職務経歴書と合わせて活用できるポートフォリオの作り方も紹介しています。
dodaの「職務経歴書の書き方」ページでも、業界別のテンプレートが公開されているので参考にしてください。
まとめ|職務経歴書で市場価値を正しく伝えよう
SESエンジニアの職務経歴書は、多様な現場経験を「強み」として伝えるための重要なツールです。
この記事のポイントをおさらい:
- スキルシートと職務経歴書は目的が異なる別の書類
- 職務要約・プロジェクト経歴・自己PRの3部構成で作成
- 「常駐先が多い」は「適応力が高い」に転換できる
- 成果は必ず数値で示す(Before/After形式が最も効果的)
- ATS対策としてキーワードを意識的に含める
職務経歴書を整えることは、転職に限らずSES案件の獲得にも直結します。高単価案件ほど、スキルシートだけでなく職務経歴書の提出が求められる傾向にあります。
📝 SESエンジニアのキャリアアップを支援
SES BASEでは、あなたのスキルに合った案件を検索できます。職務経歴書を整えて、次のステップに進みましょう。