- Dashboard v2はエージェント監視・コスト表示・セッション管理を一画面で可視化
- Fast Modeはローカルモデルとクラウドモデルを自動切替、応答速度とコストを最適化
- NemoClawとの統合でプライバシー重視のオンプレミスAI運用も可能に
「OpenClawのDashboard v2って何が変わった?」「Fast Modeってどう使えばいい?」「ローカルモデルとクラウドの使い分けを自動化したい」
OpenClaw 2026.3アップデートで導入されたDashboard v2とFast Modeは、AIエージェントの運用を根本的に変える機能です。 Dashboard v2はエージェントの状態をリアルタイムに可視化し、Fast Modeはタスクの複雑さに応じてローカル/クラウドモデルを自動切替します。
この記事では、OpenClaw完全攻略シリーズEp.56として、これらの新機能を実践的に活用する方法を解説します。
- Dashboard v2の新機能と操作方法
- Fast Modeの仕組みと設定方法
- NemoClawとの統合活用
- 個人・チーム向けの運用構成例
OpenClaw 2026.3のメジャーアップデート概要

Dashboard v2の登場背景
OpenClawはこれまでCLIベースの運用が中心でしたが、エージェント数の増加やマルチモデル運用の複雑化に伴い、視覚的な管理画面のニーズが高まっていました。
Dashboard v2は以下の課題を解決します:
- エージェントの状態が一目でわからない
- コスト・トークン消費の把握が面倒
- 複数セッションの横断的な管理が困難
- トラブルシューティングに時間がかかる
Fast Modeが解決する課題
従来のOpenClawは、設定されたクラウドモデル(Claude、GPT等)を一律で使用していました。しかし、すべてのタスクに高性能モデルを使う必要はありません。
- 簡単な質問応答 → ローカルモデルで十分(コスト: $0)
- ファイル操作の確認 → 軽量モデルで十分
- 複雑な推論・コード生成 → クラウドの高性能モデルが必要
Fast Modeは、このタスク複雑度の自動判定とモデル切替を実現します。
Dashboard v2の新機能と使い方
セッション管理の可視化
Dashboard v2のメイン画面では、アクティブなセッション一覧がリアルタイムに表示されます。
# Dashboard v2を起動
openclaw dashboard
# ブラウザで http://localhost:3333 にアクセス
表示される情報:
- セッションID・ラベル — どのエージェントがどのタスクを実行中か
- ステータス — active / idle / completed / error
- 経過時間 — セッション開始からの経過
- トークン消費量 — リアルタイムのトークン消費
エージェント監視パネル
複数のエージェントを運用している場合、監視パネルで一括管理できます。
- ヘルスステータス — 各エージェントの稼働状況
- 最終アクティビティ — 最後に動作した時刻
- エラーログ — 直近のエラーをハイライト表示
- 自動再起動設定 — エラー時の自動リカバリー
OpenClaw入門ガイドで基本的なエージェント構築方法を学んでから、Dashboard v2で運用管理に進むのがおすすめです。
コスト・トークン使用量のリアルタイム表示
コストパネルでは、以下の情報がリアルタイムに表示されます。
| 表示項目 | 説明 |
|---|---|
| 日次コスト | 今日のAPI利用コスト |
| 週次・月次トレンド | コスト推移のグラフ |
| モデル別内訳 | Claude / GPT / ローカルモデルの比率 |
| エージェント別内訳 | 各エージェントのコスト |
| 予算アラート | 設定した閾値を超えた場合の通知 |
コスト最適化の詳細は「OpenClawコスト最適化ガイド」を参照してください。
カスタムウィジェットの追加
Dashboard v2はウィジェットシステムを採用しており、自分の運用に合ったカスタムウィジェットを追加できます。
# ~/.openclaw/dashboard-widgets.yaml
widgets:
- type: metric
title: "今日の記事生成数"
query: "sessions.completed | filter(label contains 'article')"
- type: chart
title: "週間トークン消費"
query: "tokens.daily | last 7d | group by model"
- type: log
title: "エラーログ"
query: "logs | filter(level = 'error') | last 20"
Fast Mode:ローカルとクラウドの自動最適化
Fast Modeの仕組み(インテリジェントルーティング)
Fast Modeは、受信したメッセージの複雑度を0〜100のスコアで判定し、スコアに応じてモデルをルーティングします。
[メッセージ受信]
↓
[複雑度スコア計算]
↓
スコア 0-30 → ローカルモデル(Ollama等)
スコア 31-60 → クラウド軽量モデル(Claude Haiku, GPT-4o-mini等)
スコア 61-100 → クラウド高性能モデル(Claude Opus, GPT-5等)
# Fast Modeの有効化
openclaw config set fastMode.enabled true
openclaw config set fastMode.localModel "ollama/llama-3.3-70b"
openclaw config set fastMode.thresholds.local 30
openclaw config set fastMode.thresholds.cloud-light 60
ローカルモデル(Ollama)との連携
Fast Modeはローカルで稼働するOllamaと自動連携します。
# Ollamaでモデルをインストール
ollama pull llama3.3:70b
# OpenClawのFast Mode設定
openclaw config set fastMode.localEndpoint "http://localhost:11434"
レスポンス速度とコストのバランス設定
3つのプリセットが用意されています。
| プリセット | ローカル比率 | 応答速度 | コスト |
|---|---|---|---|
| speed | 70% | 最速 | 最安 |
| balanced(デフォルト) | 40% | バランス | 中程度 |
| quality | 10% | 標準 | 最高 |
openclaw config set fastMode.preset balanced
NemoClawとの統合活用
Nvidia Nemotronモデルの活用
NemoClawは、Nvidiaの Nemotronモデルをオンプレミスで稼働させるためのOpenClaw拡張機能です。
- Nemotron-Ultra — 高性能なローカルLLM
- 完全オンプレミス — データが外部に出ない
- GPU最適化 — Nvidia GPUでの高速推論
ポリシーベースのセキュリティ制御
NemoClawと組み合わせることで、機密データを含むタスクは自動的にローカルモデルにルーティングされます。
# セキュリティポリシー
fastMode:
securityRules:
- pattern: "顧客データ|個人情報|PII"
forceLocal: true
- pattern: "社外秘|機密"
forceLocal: true
実践:Dashboard v2 + Fast Modeの運用構成例
個人開発者向け構成
# 構成例: Mac mini M4 + Ollama
dashboard:
port: 3333
autoStart: true
fastMode:
enabled: true
preset: balanced
localModel: ollama/llama-3.3-70b
localEndpoint: http://localhost:11434
agents:
- name: coding-assistant
model: anthropic/claude-sonnet-4
- name: writing-assistant
model: anthropic/claude-opus-4
スキル開発ガイドで学んだカスタムスキルも、Dashboardから直接管理・テストできます。
チーム/企業向け構成
# 構成例: チーム5人、GPU搭載サーバー
dashboard:
port: 3333
auth:
type: oauth2
provider: github
fastMode:
enabled: true
preset: quality
localModel: nemoclaw/nemotron-ultra
securityRules:
- pattern: "PII|個人情報"
forceLocal: true
monitoring:
alerting:
slack: "#ai-ops"
budgetLimit: 500 # $500/月
マルチモデルオーケストレーションと組み合わせることで、さらに高度な運用が可能です。
トラブルシューティングとFAQ
Q: Dashboardが起動しない
openclaw dashboard --debug # デバッグモードで原因確認
Q: Fast Modeでローカルモデルが使われない
openclaw config get fastMode # 設定確認
curl http://localhost:11434/api/tags # Ollamaの稼働確認
Q: コストが想定より高い
- Dashboardのコストパネルでモデル別内訳を確認
fastMode.presetをspeedに変更してローカル比率を上げる- パフォーマンス監視ガイドを参照
まとめ:OpenClawの進化を最大限活用する
Dashboard v2とFast Modeは、OpenClawを「使いこなす」から「運用する」へ進化させるための重要な機能です。
今日から始める3ステップ:
openclaw dashboardでDashboard v2を起動して、現在の利用状況を把握openclaw config set fastMode.enabled trueでFast Modeを有効化- 1週間運用して、Dashboardのコストパネルで効果を確認
SESエンジニアとして、AIエージェントの運用・最適化スキルは、これからの市場で強力な差別化要素になります。