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OpenClaw×A2AプロトコルでAIエージェント連携を構築

OpenClaw×A2AプロトコルでAIエージェント連携を構築

OpenClawA2Aマルチエージェントプロトコル
目次
⚡ 3秒でわかる!この記事のポイント
  • A2A(Agent-to-Agent)はGoogleが提唱するエージェント間通信の標準プロトコル
  • OpenClawのA2A対応で、異なるAIプラットフォーム間のエージェント協調が実現
  • リサーチ×執筆、コードレビュー×テストなどの実践的なワークフロー構築が可能

AIエージェントが1つのタスクを自律的にこなす時代は、すでに到来しています。しかし次のフロンティアは、複数のAIエージェントが協調して複雑なワークフローを実行する世界です。

OpenClawのA2A(Agent-to-Agent)プロトコル対応により、この未来が現実になりました。本記事では、A2Aプロトコルの基本から、OpenClawを使ったマルチエージェントワークフローの構築方法まで実践的に解説します。

この記事でわかること
  • A2Aプロトコルの仕組みとMCPとの違い
  • OpenClawでのA2Aサーバー/クライアントのセットアップ方法
  • マルチエージェントワークフローの実践ユースケース3選

A2A(Agent-to-Agent)プロトコルとは

Googleが提唱するエージェント間通信規格

A2A(Agent-to-Agent)プロトコルは、Googleが2025年に発表したAIエージェント間の通信標準規格です。Google Cloud Blogで詳しく紹介されています。

A2Aの核心的なアイデアは、異なるプラットフォーム上で動作するAIエージェントが、共通のプロトコルで会話・タスク委任・結果共有できるようにすることです。

A2Aの主要コンポーネントは以下の通りです。

  • Agent Card: エージェントの能力・スキルを記述するメタデータ(JSON形式)
  • Task: エージェント間でやりとりされるタスクの単位
  • Message: タスク内での会話メッセージ
  • Artifact: タスクの成果物(ファイル、データ、レポート等)
// Agent Cardの例
{
  "name": "Research Agent",
  "description": "Web検索とドキュメント分析を行うリサーチエージェント",
  "url": "https://agent.example.com/a2a",
  "skills": [
    {
      "id": "web-research",
      "name": "Web Research",
      "description": "指定されたトピックについてWeb検索で情報を収集"
    },
    {
      "id": "document-analysis",
      "name": "Document Analysis",
      "description": "PDFやWebページの内容を分析・要約"
    }
  ]
}

MCPとの違い(ツール連携 vs エージェント間協調)

A2AとMCP(Model Context Protocol)は、しばしば混同されますが、対象とするレイヤーが異なります

項目MCPA2A
対象モデル ↔ ツールエージェント ↔ エージェント
通信パターンリクエスト/レスポンス非同期タスク管理
状態管理ステートレスステートフル(タスク状態を追跡)
典型的な用途DB操作、API呼び出しタスク委任、協調作業
「このSQLを実行して」「この記事を調査して執筆して」

MCPはツールの呼び出し(「SQLを実行して結果を返して」等)に特化しているのに対し、A2Aはエージェント間の高度なタスク委任と協調を実現します。両者は競合ではなく補完関係にあり、A2A対応エージェントの中でMCPツールを利用するのが典型的なパターンです。

A2Aプロトコルのマルチエージェント連携図

OpenClawのA2Aプロトコル対応状況

A2Aサーバー/クライアント機能の概要

OpenClawはA2Aプロトコルのサーバーとクライアントの両方をサポートしています。

A2Aサーバー機能(他のエージェントからタスクを受け取る):

  • OpenClawのエージェントをA2Aサーバーとして公開
  • Agent Cardの自動生成
  • タスクの受信・実行・結果返却

A2Aクライアント機能(他のエージェントにタスクを委任する):

  • 外部A2Aエージェントの検出・接続
  • タスクの送信と進捗追跡
  • 成果物(Artifact)の受信と処理

対応バージョンと設定方法

A2A機能はOpenClaw v1.8以降で利用可能です。設定方法は以下の通りです。

// openclaw.json
{
  "a2a": {
    "enabled": true,
    "server": {
      "port": 8080,
      "basePath": "/a2a",
      "auth": {
        "type": "bearer",
        "token": "${A2A_AUTH_TOKEN}"
      }
    },
    "clients": [
      {
        "name": "research-agent",
        "url": "https://research.example.com/a2a",
        "auth": {
          "type": "bearer",
          "token": "${RESEARCH_AGENT_TOKEN}"
        }
      }
    ]
  }
}

セットアップ手順:

  1. openclaw.jsonにA2A設定を追加
  2. 認証トークンを環境変数に設定
  3. openclaw gateway restartでゲートウェイを再起動
  4. curl http://localhost:8080/a2a/.well-known/agent.jsonでAgent Cardを確認

A2Aでマルチエージェントワークフローを構築する

OpenClaw ↔ Gemini CLI のエージェント連携

OpenClawとGoogle Antigravity(Gemini CLI)をA2Aで連携させることで、それぞれの強みを活かしたワークフローを構築できます。

エージェント強み担当タスク例
OpenClaw自律的なタスク実行、cron連携、マルチチャネルワークフロー管理、定期実行、通知
Gemini CLIGoogle Search連携、大規模コンテキストWeb調査、コードベース分析

連携の例: 技術調査→レポート作成パイプライン

# ワークフロー定義
workflow:
  name: "Tech Research Pipeline"
  steps:
    - agent: "gemini-research"
      task: "React 19の最新機能について調査して主要な変更点をまとめて"
      output: "research_report"

    - agent: "openclaw-writer"
      task: "調査結果を元にブログ記事を作成して"
      input: "${research_report}"
      output: "blog_article"

    - agent: "openclaw-publisher"
      task: "記事をCMSに投稿してSNSで告知して"
      input: "${blog_article}"

OpenClaw ↔ 外部AIサービスの連携パターン

A2Aはオープンプロトコルのため、A2A対応している任意の外部AIサービスと連携できます。

連携可能なサービス例:

  • Google Agentspace: エンタープライズ検索・ナレッジ管理
  • LangGraph Cloud: 複雑なグラフベースのワークフロー
  • 自社開発エージェント: A2Aサーバーを実装した社内AIサービス

タスク委任とレスポンス管理

A2Aでのタスク管理は非同期で行われます。タスクの状態遷移は以下の通りです。

submitted → working → completed
                    → failed
                    → canceled

OpenClawからのタスク委任の流れを説明します。

# OpenClawのエージェントからA2Aタスクを委任
# (内部的な処理フロー)

1. タスク作成: POST /a2a/tasks
 taskId: "task-abc123"
 status: "submitted"

2. 進捗確認: GET /a2a/tasks/task-abc123
 status: "working"
 progress: "60%"

3. 完了確認: GET /a2a/tasks/task-abc123
 status: "completed"
 artifacts: [{ type: "text/markdown", content: "..." }]

長時間タスクの場合、**Server-Sent Events(SSE)**でリアルタイムに進捗を受信することも可能です。

実践ユースケース

リサーチエージェント × 執筆エージェントの記事作成パイプライン

最も実践的なユースケースの一つが、調査と執筆を分離したコンテンツ作成パイプラインです。

フロー:

  1. リサーチエージェント(Gemini CLI + Google Search)がトピックを調査
  2. 調査結果をA2A Artifactとして構造化データで返却
  3. 執筆エージェント(OpenClaw)が調査結果を元に記事を執筆
  4. 品質チェックエージェントがSEO・文法・ファクトチェックを実行
  5. 問題があれば執筆エージェントに差し戻し

このパイプラインにより、1記事あたりの作成時間を従来の1/3に短縮しながら、情報の正確性も向上させることができます。

コードレビューエージェント × テストエージェントのCI連携

GitHub ActionsやGitLab CIと連携し、PRのコードレビューとテスト生成を自動化するパターンです。

フロー:

  1. PR作成をトリガーにOpenClawのCIエージェントが起動
  2. コードレビューエージェントがコード変更の品質チェックを実行
  3. 問題がなければテスト生成エージェントにタスクを委任
  4. テストエージェントが変更に対応するユニットテストを自動生成
  5. テストをPRに自動コミット

監視エージェント × 対応エージェントのインシデント自動対応

24時間稼働の監視→一次対応→エスカレーションのパイプラインです。

フロー:

  1. 監視エージェントがCloudWatch / Datadogのアラートを受信
  2. アラートの重要度を分析し、低〜中レベルの場合は対応エージェントにタスクを委任
  3. 対応エージェントが定型的な対応(プロセス再起動、スケーリング等)を実行
  4. 高レベルのアラートは人間のオンコールエンジニアにSlack通知
  5. すべてのインシデントをログに記録し、レトロスペクティブレポートを自動生成

セキュリティとアクセス制御

A2A認証の仕組み

A2Aプロトコルは複数の認証方式をサポートしています。

認証方式適用シーンセキュリティレベル
Bearer Token開発環境、信頼されたネットワーク基本
OAuth 2.0エンタープライズ環境高い
mTLS金融・医療等の高セキュリティ環境最高

OpenClawでは、openclaw.jsonの認証設定でこれらを柔軟に構成できます。

エージェント間の権限分離

マルチエージェント環境では、各エージェントに最小限の権限のみを付与することが重要です。

  • リサーチエージェント: 読み取り専用。Web検索とドキュメント分析のみ
  • 執筆エージェント: 特定ディレクトリへのファイル書き込みのみ
  • CI/CDエージェント: GitHub API(PR作成・コメント)のみ
  • 監視エージェント: 監視ツールAPIの読み取り+特定の対応アクション

OpenClawのエージェント設定でスキルとMCPツールの利用範囲を制限することで、権限の最小化を実現します。

まとめ:A2Aが拓くAIエージェントのエコシステム

A2Aプロトコルは、AIエージェントの世界に**真のインターオペラビリティ(相互運用性)**をもたらします。OpenClawのA2A対応により、異なるAIプラットフォームのエージェントが協調して動作するマルチエージェントワークフローが現実のものとなりました。

  • A2AはGoogleが提唱するエージェント間通信の標準プロトコル
  • MCPとは補完関係(ツール連携 vs エージェント協調)
  • OpenClawはA2Aのサーバー/クライアントの両方をサポート
  • 調査→執筆、レビュー→テスト、監視→対応のパイプラインが構築可能
  • 認証・権限分離でセキュアなマルチエージェント環境を実現

**AIエージェントの未来は「協調」にあります。**A2Aプロトコルを使ったマルチエージェントワークフローの構築を、ぜひ始めてみてください。

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SES BASE 編集長

SES業界歴10年以上のメンバーが在籍する編集チーム。SES企業での営業・エンジニア経験、フリーランス独立経験を持つメンバーが、業界のリアルな情報をお届けします。

📊 業界データに基づく記事制作 🔍 IPA・経済産業省データ参照 💼 SES実務経験者が執筆・監修