🚀 Google Antigravityのポテンシャルを引き出すプロンプトエンジニアリング
Google Antigravityは、Geminiモデルを搭載した次世代AIコーディングツールですが、その真価を発揮させるには「AIへの適切な指示出し」すなわちプロンプトエンジニアリングが不可欠です。
本記事では、SESエンジニアが実際の開発現場でGoogle Antigravityを使う際に、高精度なコードや的確なレビューを引き出すためのプロンプトのコツを体系的に解説します。
💡 なぜAIコーディングにプロンプトの工夫が必要なのか?
AIは強力ですが、コンテキスト(背景情報)や制約事項を与えなければ、一般的な正解を返してしまい、現在のプロジェクトに合わないコードを生成しがちです。
例えば、単純に「ログイン機能を作って」と指示すると、使用しているフレームワークや認証方式(JWTなのかセッションなのか)、UIライブラリの指定などが抜け落ち、手戻りが発生します。
高精度な出力を得るための3原則
- 明確な役割とゴールを設定する
- プロジェクトの前提条件(技術スタック・規約)を渡す
- 入出力の具体例(Few-shot)を示す
これらの原則をAntigravityの機能と組み合わせて活用することで、一発で期待通りのコードを得られる確率が飛躍的に向上します。
🛠️ Google Antigravity向け 実践プロンプトテクニック
ここからは、具体的なプロンプトの書き方と、Antigravity特有の機能を活かしたテクニックを紹介します。
1. 役割付与とコンテキストの明示(System Prompt)
Antigravityでは、ワークスペースやプロジェクト単位でカスタムインストラクションを設定できますが、チャットやインライン生成の際にも前提を伝えると効果的です。
❌ 悪いプロンプトの例
ユーザー一覧を取得するAPIを書いて。
⭕ 良いプロンプトの例
あなたはシニアバックエンドエンジニアです。 Express.jsとPrismaを使用して、ユーザー一覧を取得するREST APIエンドポイントを実装してください。
- ページネーション(limit, offset)をサポートすること
- パスワードなどの機密情報はレスポンスから除外すること
- エラーハンドリングは既存の
src/middlewares/errorHandler.tsに準拠すること
2. @ メンションによるファイル・ドキュメントの参照
Antigravityの強力な機能の1つが、ローカルファイルやシンボルを直接プロンプトに巻き込める機能です。
@src/types/user.tsで定義されているUserインターフェースに従って、@src/components/UserList.tsxのモックデータを生成し、コンポーネントのテストコードを書いてください。
このように具体的なファイルを参照させることで、AIが自律的に型定義や既存の構造を読み取り、プロジェクトの規約に沿ったコードを生成します。
3. ステップ・バイ・ステップでの指示(Chain of Thought)
複雑なロジックを実装させる場合は、一度に全てを書かせるのではなく、思考プロセスを分解して指示します。
以下の要件でショッピングカートの計算ロジックを実装します。段階的に考えてコードを生成してください。
- 商品の小計を計算する
- クーポンコード(10%OFFなど)が適用される場合は割引を計算する
- 消費税(10%)を加算して最終的な合計金額を算出する
- 各ステップごとに独立した関数として切り出し、単体テストが書きやすい構造にすること
📈 インフォグラフィック:プロンプト構成の黄金テンプレート

上記の図は、AIコーディングにおいて「背景」「要件」「制約」「出力形式」をどのように組み立てるべきかを視覚化したものです。このテンプレートに沿って指示を出すことで、手戻りを最小限に抑えることができます。
🔍 ユースケース別プロンプト集
SESの現場で頻出するシチュエーション別のプロンプト例を紹介します。
コードレビューを依頼する場合
選択したコードブロックのレビューをお願いします。 特に以下の観点でチェックし、改善案があればリファクタリング後のコードを提示してください。
- パフォーマンスの問題(N+1問題など)はないか
- セキュリティ上の脆弱性(SQLインジェクションなど)はないか
- 可読性と保守性は高いか
エラーの解決・デバッグ
以下のエラーメッセージが発生しています。
[エラーメッセージをペースト]関連するファイルは
@src/controllers/auth.tsです。 エラーの原因を推測し、修正するための具体的なコードと手順を教えてください。
テストコードの自動生成
@src/utils/dateFormatter.tsの全ての関数に対するJestの単体テストを作成してください。
- 正常系だけでなく、異常系(nullや不正なフォーマットが渡された場合)のテストケースも含めること
- テストデータはエッジケースを網羅すること
🎓 まとめ:プロンプトは「AIとの対話」
Google Antigravityは非常に賢いAIですが、心を読めるわけではありません。エンジニアが「どのようなコードを求めているのか」を正確に言語化するプロンプトエンジニアリングのスキルは、これからのAI時代において必須の能力となります。
今回紹介したテクニックを駆使して、Antigravityをあなたの強力な「ペアプログラミング・パートナー」として活用してください。
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