- コード生成・複雑なリファクタリングにはGemini 3 Pro、軽量タスクには2.5 Flashが最適
- 無料枠(1,000リクエスト/日)を活用すれば月額コストゼロで運用可能
- GEMINI.mdでプロジェクトごとにデフォルトモデルを切り替えられる
「Antigravityで使えるモデルがたくさんあるけど、どれを選べばいいかわからない」「コストを抑えつつ最高の結果を出したい」——そんな悩みを持つエンジニアの方に向けた実践ガイドです。
結論から言うと、タスクの種類に応じてモデルを使い分けるのがコスパ最適解です。複雑なコード生成にはGemini 3 Pro、日常的なコードレビューやドキュメント生成には2.5 Flashという使い分けが2026年現在のベストプラクティスです。
この記事はGoogle Antigravity完全攻略シリーズのEp.17として、モデル選択の判断基準を体系的に解説します。
- Antigravity / Gemini CLIで選べるモデルの特徴と使い分け
- タスク別の最適モデル選択ガイド
- コストパフォーマンスを最大化する設定方法
- プロジェクトごとのモデル切り替え設定
Antigravity / Gemini CLIで選べるモデル一覧
Gemini 3 Pro / 3.1 Pro の特徴
Gemini 3 Proは2026年2月にリリースされたGoogleのフラッグシップモデルです。コード生成タスクにおいて最高精度を発揮します。
| 特徴 | Gemini 3 Pro | Gemini 3.1 Pro |
|---|---|---|
| コンテキストウィンドウ | 2Mトークン | 2Mトークン |
| コード生成精度 | ★★★★★ | ★★★★★+ |
| マルチモーダル | 画像・PDF・音声 | 画像・PDF・音声・動画 |
| 応答速度 | 高速 | やや高速 |
| 料金(入力) | $1.25/1Mトークン | $1.50/1Mトークン |
| 料金(出力) | $5.00/1Mトークン | $6.00/1Mトークン |
Gemini 3.1 Proは3 Proの改良版で、特にロングコンテキストでの精度が向上しています。大規模コードベースの分析や、複数ファイルにまたがるリファクタリングで3 Proを上回るパフォーマンスを見せます。
Gemini 2.5 Flash の特徴
Gemini 2.5 Flashは、高速・低コストで日常的なタスクに最適なモデルです。
- 応答速度: 3 Proの約3倍高速
- コスト: 3 Proの約1/5
- 精度: 単純なコード生成なら3 Proと遜色なし
- Thinking機能: 段階的な推論が可能(think/noThink切り替え可)
# Flashで高速にコードレビュー
gemini -m 2.5-flash "このPRの差分をレビューしてください"
Antigravity コスト最適化でも解説していますが、日常タスクの80%はFlashで十分な品質を確保できます。
サードパーティモデル(Claude・GPT)の利用
Antigravityは2026年のアップデートで、Gemini以外のモデルもサポートしています。
- Claude 4 Sonnet / Opus: Vertex AI経由で利用可能
- GPT-5.3: OpenAI API キーを設定して利用
- Llama 4: Vertex AI Model Gardenから利用
# Claude 4 Sonnetを使う場合
gemini -m claude-4-sonnet "このコードをリファクタリングしてください"
ただし、Geminiモデルを使う場合のみ無料枠が適用されるため、コスト面ではGeminiモデルの活用が有利です。
タスク別モデル選択ガイド
コード生成・リファクタリング → 3 Pro推奨
新規コードの生成や大規模なリファクタリングでは、Gemini 3 Proの精度が最も信頼性が高いです。

推奨される使い方:
- 新規機能の実装: 要件を詳細に記述し、3 Proで一括生成
- アーキテクチャ変更: モノリスからマイクロサービスへの分割計画
- 複雑なアルゴリズム: パフォーマンスが重要な処理ロジック
# 3 Proで新機能を実装
gemini -m 3-pro \
"決済処理のマイクロサービスを実装してください。
Stripe API連携、冪等性保証、リトライロジックを含めて。"
コードレビュー・ドキュメント → 2.5 Flash推奨
コードレビューやドキュメント生成は、2.5 Flashで十分な品質が得られます。高速な応答を活かして、インタラクティブなレビューが可能です。
推奨される使い方:
- PRのコードレビュー: 差分の問題点を指摘
- ドキュメント生成: README、API仕様書、コメント追加
- テスト生成: 既存コードからの単体テスト作成
- コミットメッセージ生成: Conventional Commits形式での自動生成
# Flashでコードレビュー(高速)
git diff main..feature/auth | gemini -m 2.5-flash \
"このdiffをレビューしてください。セキュリティとパフォーマンスの観点で。"
マルチモーダル入力(画像・PDF)→ 3 Pro推奨
画像やPDFの解析を含むタスクでは、3 Proのマルチモーダル能力が圧倒的に優れています。
- UI/UXデザインのコード変換: Figmaのスクリーンショットからコンポーネント生成
- PDF仕様書からの実装: 技術仕様書を読み込んで実装コードを生成
- エラー画面のデバッグ: スクリーンショットからエラー原因を分析
Antigravity プロンプトエンジニアリングで紹介したテクニックと組み合わせると、マルチモーダル入力の精度がさらに向上します。
コストパフォーマンス比較
無料枠の活用戦略(1,000リクエスト/日)
Gemini APIの無料枠は2026年現在も提供されており、以下の条件で利用できます。
- リクエスト数: 1,000回/日(Gemini 2.5 Flashの場合)
- トークン制限: 1リクエストあたり最大32,768トークン
- モデル制限: Geminiモデルのみ(サードパーティモデルは対象外)
日常的な開発作業であれば、無料枠の範囲内で十分にカバーできるケースが多いです。
無料枠の効率的な使い方:
- コードレビューやドキュメント生成は2.5 Flash(無料枠消費が少ない)
- 重要な機能実装のみ3 Pro(有料枠を使う価値がある)
- 探索的なプロンプトテストはFlashで行い、確定したプロンプトを3 Proで実行
APIキーの使い分け(個人アカウント vs Vertex AI)
| 項目 | Google AI Studio(個人) | Vertex AI(企業) |
|---|---|---|
| 無料枠 | あり(1,000回/日) | なし |
| 料金体系 | 従量課金 | 従量課金 + 予約割引 |
| SLA | なし | 99.9% |
| データ保護 | 学習に使用される可能性 | 学習に使用されない |
| セキュリティ | 基本 | VPC-SC / CMEK対応 |
SES案件で使う場合は、クライアントのセキュリティ要件に応じてVertex AIを選択するケースが多いです。
/settings でのデフォルトモデル変更方法
Gemini CLI / Antigravity でのデフォルトモデルは、インタラクティブモードで/settingsコマンドから変更できます。
# インタラクティブモードで設定変更
gemini
> /settings
> モデル: gemini-2.5-flash # デフォルトをFlashに変更
プロジェクトごとのモデル切り替え設定
GEMINI.md でのモデル指定
プロジェクトルートにGEMINI.mdを配置することで、プロジェクト固有のモデル設定が可能です。
# GEMINI.md
model: gemini-3-pro
temperature: 0.2
# プロジェクト固有のルール
- TypeScript strict modeで書く
- Prettierのフォーマットに従う
- テストカバレッジ80%以上を維持
環境変数による切り替え
CI/CD環境やスクリプトからモデルを切り替える場合は、環境変数を使います。
# 環境変数でモデルを指定
export GEMINI_MODEL="gemini-2.5-flash"
gemini "テストを生成してください"
# コマンドラインオプションで上書き
gemini -m gemini-3-pro "この機能を実装してください"
Antigravity パフォーマンスチューニングでも解説していますが、CI環境ではFlashを使い、ローカル開発では3 Proを使うという使い分けが効率的です。
実測ベンチマーク:モデル別の応答速度と精度
コード生成タスクでの比較
同一のプロンプト(「FastAPIで認証付きCRUD APIを生成」)で各モデルを実測した結果です。
| モデル | 応答時間 | コード行数 | テスト通過率 | コスト |
|---|---|---|---|---|
| Gemini 3 Pro | 12秒 | 245行 | 95% | $0.08 |
| Gemini 3.1 Pro | 14秒 | 260行 | 97% | $0.10 |
| Gemini 2.5 Flash | 4秒 | 210行 | 88% | $0.015 |
結論: コード品質を最優先する場合は3.1 Pro、コスパ重視なら2.5 Flashが最適です。
大規模コードベース分析での比較
10万行規模のTypeScriptプロジェクトの分析タスクでは、ロングコンテキスト性能の差が顕著に出ます。
| タスク | 3 Pro | 3.1 Pro | 2.5 Flash |
|---|---|---|---|
| 依存関係分析 | ○ | ◎ | △ |
| デッドコード検出 | ○ | ◎ | △ |
| アーキテクチャ提案 | ◎ | ◎ | ○ |
| セキュリティ監査 | ○ | ◎ | △ |
大規模コードベースの分析では、3.1 Proが最も高い精度を発揮します。2Mトークンのコンテキストウィンドウを活かし、プロジェクト全体を俯瞰した分析が可能です。
まとめ:モデル選択で開発効率とコストを最適化する
Antigravity / Gemini CLIでのモデル選択は、タスクの重要度と複雑さに応じた使い分けがポイントです。
| タスクの種類 | 推奨モデル | 理由 |
|---|---|---|
| 新規機能実装 | 3 Pro / 3.1 Pro | 高精度なコード生成 |
| コードレビュー | 2.5 Flash | 高速・低コスト |
| ドキュメント生成 | 2.5 Flash | 十分な品質で高速 |
| 大規模分析 | 3.1 Pro | ロングコンテキスト性能 |
| マルチモーダル | 3 Pro | 画像・PDF解析能力 |
無料枠を賢く活用し、GEMINI.mdでプロジェクトごとの設定を最適化することで、コストを最小限に抑えつつ最高の開発体験を実現できます。
参考: Google DeepMind公式ブログ「Gemini 3 Technical Report」