- AWS案件がSESクラウド市場シェア約55%で最多。GCPは約12%だが希少性で単価プレミアムあり
- GCPエンジニアは経験3年以上で月額70〜90万円とAWS同等以上の単価水準
- 2026年はマルチクラウド対応エンジニアが最も高単価(月額80〜100万円)
SESエンジニアとしてインフラ案件に取り組む中で、**「AWSとGCP、どちらのスキルを伸ばすべき?」**と迷った経験はありませんか?
2026年現在、クラウドインフラの需要は年々拡大しており、SES市場においてもクラウド案件は高単価帯を占めています。しかし、AWSとGCPでは案件数、求められるスキル、単価水準がそれぞれ異なります。
本記事では、SESインフラエンジニアの視点からAWSとGCPの需要・単価を徹底比較し、あなたのキャリア戦略に役立つデータと考察をお届けします。
- 2026年のSESクラウドインフラ案件の全体像
- AWS案件・GCP案件それぞれの需要と特徴
- 経験年数別の単価相場(AWS vs GCP)
- どちらを選ぶべきかの判断基準
- クラウド資格の有効性と取得戦略
AWS vs GCP:SESインフラ案件の全体像
SES市場におけるクラウド案件の位置づけ
2026年のSES市場では、クラウドインフラ案件の割合が全体の約40%を占めるまでに成長しています。オンプレミスからクラウドへの移行プロジェクトに加え、クラウドネイティブな新規開発案件も急増しています。
クラウドエンジニアの案件獲得や必要スキルについて詳しくは、クラウドエンジニアSES案件ガイドをご参照ください。
AWS案件とGCP案件のシェア比較
| プラットフォーム | SES案件シェア(2026年) | 前年比成長率 | 案件の特徴 |
|---|---|---|---|
| AWS | 約55% | +8% | 案件数最多、業種問わず幅広い |
| Azure | 約25% | +12% | エンタープライズ・官公庁系が中心 |
| GCP | 約12% | +18% | AI/ML・データ分析系が急成長 |
| マルチクラウド | 約8% | +25% | 複数クラウドの統合管理 |
GCPは案件シェアこそAWSに及びませんが、前年比成長率は+18%と最も勢いがあります。特にAI/MLプラットフォームとしてのGCPの存在感が高まっており、BigQueryやVertex AIを扱えるエンジニアの需要が急増しています。
AWS案件の需要と特徴
AWS案件の種類と求められるスキル
AWS案件は大きく4つのカテゴリに分類されます。
| カテゴリ | 案件例 | 求められるスキル |
|---|---|---|
| 設計・構築 | 新規AWSインフラ設計、移行設計 | VPC設計、IAM、Well-Architected |
| 運用・保守 | 既存環境の監視、障害対応 | CloudWatch、Systems Manager |
| 移行 | オンプレ→AWS移行 | DMS、Server Migration、VMware連携 |
| 最適化 | コスト削減、パフォーマンス改善 | Cost Explorer、Trusted Advisor |
特に2026年は**コンテナ(ECS/EKS)とサーバーレス(Lambda)**の案件が急増しています。従来のEC2ベースの案件から、よりモダンなアーキテクチャへのシフトが鮮明です。AWSサーバーレス案件について詳しくはAWSサーバーレス案件ガイドをご覧ください。
AWS案件の単価相場【経験年数別】
| 経験年数 | 案件レベル | 月額単価(SES) | 年収換算 |
|---|---|---|---|
| 1〜2年 | 運用・監視 | 40〜55万円 | 480〜660万円 |
| 3〜5年 | 構築・運用設計 | 55〜75万円 | 660〜900万円 |
| 5〜8年 | 設計・移行リード | 70〜90万円 | 840〜1,080万円 |
| 8年以上 | アーキテクト | 85〜110万円 | 1,020〜1,320万円 |
AWS案件のメリット・デメリット
メリット:
- 案件数が圧倒的に多く、案件選択の自由度が高い
- 学習リソースが豊富(日本語ドキュメント、書籍、研修)
- AWS認定資格が面談で強力なアピールになる
- 業種を問わず幅広い経験が積める
- エンジニアの数も多いため、差別化が難しい
- 経験1〜2年では単価がやや低めに抑えられやすい
- サービス数が200以上と膨大で、全体像の把握に時間がかかる
GCP案件の需要と特徴
GCP案件の種類と求められるスキル
GCP案件はAWSと比べてデータ分析・AI/ML寄りの案件比率が高いのが特徴です。
| カテゴリ | 案件例 | 求められるスキル |
|---|---|---|
| データ基盤構築 | BigQuery中心のDWH設計 | BigQuery、Dataflow、Pub/Sub |
| AI/MLプラットフォーム | Vertex AIによるML基盤構築 | Vertex AI、AutoML、TensorFlow |
| コンテナ基盤 | GKEによるマイクロサービス基盤 | GKE、Cloud Run、Istio |
| インフラ構築 | Compute Engine、VPC設計 | ネットワーク設計、IAM |
GCP案件の単価相場【経験年数別】
| 経験年数 | 案件レベル | 月額単価(SES) | 年収換算 |
|---|---|---|---|
| 1〜2年 | 運用・データ処理 | 45〜58万円 | 540〜696万円 |
| 3〜5年 | 構築・データ基盤設計 | 60〜80万円 | 720〜960万円 |
| 5〜8年 | 設計・AI/ML基盤 | 75〜95万円 | 900〜1,140万円 |
| 8年以上 | アーキテクト・テックリード | 90〜120万円 | 1,080〜1,440万円 |
GCP案件のメリット・デメリット
メリット:
- エンジニアの希少性が高く、単価プレミアムが期待できる
- BigQuery・Vertex AI等のデータ/AI領域で強い専門性が身につく
- Google Cloudの急成長に伴い、案件数が年々増加
- Kubernetesの本家(GKE)で最先端のコンテナ技術を扱える
- 案件数がAWSに比べて少なく、案件選択の幅が限られる
- 日本語の学習リソースがAWSほど充実していない
- 地方・中小企業の案件では採用が少ない
AWS vs GCP 単価比較表【2026年版】
分野別・経験年数別に、AWS案件とGCP案件の単価を比較します。
| 分野 | 経験 | AWS月額単価 | GCP月額単価 | 差額 |
|---|---|---|---|---|
| インフラ設計・構築 | 3〜5年 | 60〜75万円 | 65〜80万円 | GCP +5万円 |
| インフラ設計・構築 | 5年以上 | 75〜90万円 | 80〜95万円 | GCP +5万円 |
| コンテナ基盤 | 3〜5年 | 65〜80万円 | 70〜85万円 | GCP +5万円 |
| データ基盤 | 3〜5年 | 60〜75万円 | 70〜90万円 | GCP +10万円 |
| AI/ML基盤 | 3〜5年 | 65〜80万円 | 75〜95万円 | GCP +10万円 |
| 運用・監視 | 1〜3年 | 40〜55万円 | 45〜58万円 | GCP +3万円 |
GCPエンジニアはAWSエンジニアと比較して月額3〜10万円程度の単価プレミアムがあります。これはGCPエンジニアの希少性によるものです。ただし、案件数の絶対数ではAWSが圧倒的に多いため、「高単価の少数案件」と「豊富な選択肢」のトレードオフと言えます。

どちらを選ぶべき?SESエンジニアのクラウド戦略
AWSを選ぶべきエンジニア
- 案件数を重視したい方(案件切り替え時のリスクを最小化)
- 業種・業界を問わず幅広い経験を積みたい方
- 日本語の学習リソースを活用して効率的にスキルアップしたい方
- 地方在住やリモート案件を重視する方(AWS案件はリモート対応率が高い)
GCPを選ぶべきエンジニア
- データ分析・AI/ML領域に強い関心がある方
- エンジニアとしての希少性・専門性を高めて単価アップを狙いたい方
- **Kubernetes(GKE)**を極めたい方
- スタートアップやテック企業での案件に興味がある方
マルチクラウドという第3の選択肢
2026年のトレンドとして、マルチクラウド対応エンジニアの需要が急増しています。AWSとGCP(またはAzure)の両方を扱える人材は、月額80〜100万円の高単価案件を獲得しやすくなっています。
おすすめのキャリアパスは以下の通りです。
- まず片方を深く(2〜3年):AWSまたはGCPで設計・構築レベルのスキルを習得
- もう片方に広げる(1〜2年):基本サービスの対応表を理解し、実案件で経験
- マルチクラウド人材として差別化:統合管理、クラウド間連携の設計ができるレベルへ
クラウド案件で単価を上げるための資格戦略
クラウド資格はSES面談での信頼獲得に非常に効果的です。AWS・GCPそれぞれの主要資格を比較します。
| レベル | AWS資格 | GCP資格 | 単価への影響 |
|---|---|---|---|
| 入門 | Cloud Practitioner (CLF) | Cloud Digital Leader | 面談通過率向上 |
| 中級 | Solutions Architect Associate (SAA) | Associate Cloud Engineer | +3〜5万円/月 |
| 上級 | Solutions Architect Professional (SAP) | Professional Cloud Architect | +5〜10万円/月 |
| 専門 | DevOps Engineer Professional | Professional Cloud DevOps Engineer | +5〜10万円/月 |
| データ | Data Analytics Specialty | Professional Data Engineer | +8〜12万円/月 |
AWSなら CLF → SAA → SAP の順がおすすめ。GCPなら Cloud Digital Leader → Associate Cloud Engineer → Professional Cloud Architect の順で取得しましょう。詳しくはAWS認定資格ガイドをご覧ください。
まとめ:AWS vs GCPはゼロサムではない
AWSとGCPの選択は「どちらが正解」ではなく、あなたのキャリア戦略次第です。
- 案件数重視・幅広い経験 → AWSから始める
- 希少性・専門性・単価 → GCPに注力する
- 最高値の単価を狙う → マルチクラウド対応を目指す
いずれを選ぶにしても、クラウドスキルはSESエンジニアの市場価値を大きく押し上げます。まずは興味のある方から学習を始め、実案件での経験を積み重ねていきましょう。
SESエンジニアの単価相場全般についてはSES単価相場ガイド2026を、インフラエンジニアの単価についてはSESインフラエンジニアの単価相場も参考にしてください。GCPの基礎について学びたい方はGoogle Cloud入門ガイドもおすすめです。